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しずおか・よっ日本一:時代に合わせ、雛人形作り 新市場・中国に期待 /静岡

2009年10月12日分配信 【毎日新聞】

 ピンク色の着物をまとった物体がいくつも並ぶ。静岡市駿河区にある人形部品メーカー「栗田製作所」のこぢんまりとした作業場。異様な光景だが、京都の西陣織をきれいに羽織った雛(ひな)人形の胴体部分だ。5人の作業員が年間約4000体を手作り。製品は、頭部の製造が盛んな埼玉県などに出荷される。
工業統計調査(07年)によると、「人形の部分品・付属品」で、静岡県は全国一の出荷額を誇る。雛人形、セットの中のタンスや屏風(びょうぶ)などの雛具も統計に含まれ、静岡市を中心とした県中部で盛んな雛飾り作りが数値を押し上げている。
日本人形協会静岡支部によると、雛人形や雛具作りは、徳川家康ゆかりの駿府城下が栄えた江戸時代から盛んになった。城下に集められた木工や蒔絵(まきえ)などの職人が、複数の工程が必要な雛具、雛人形作りの礎を築いたという。
しかし、業界の市場規模は、高度経済成長の約40年前をピークに、核家族化や少子化で縮小傾向が続く。取引先は、主流だった百貨店から量販店に転換。売れ筋も、大きな7段飾りからコンパクトな3段以下のセットに変わった。同支部によると、雛具と雛人形の市場規模はピークの6分の1に、県内の業者数も100社から20社以下に激減した。
このため、栗田製作所でも時代に合わせた工夫が凝らされている。「伝統」にとらわれず、着物の上にカラフルなビーズやリボンなどの小物も付け、若い世代にも好まれるよう仕立てる。栗田良明代表(65)は「若い女性の感性も取り入れ、他社との差異化を図っている」と話す。
業界では、市場を海外に求めることも検討されている。節句を祝うルーツがある中国は、有力なターゲットだ。日本人形協会静岡支部の松島壮支部長(77)は「業界が意識的に変わろうとしないといけない時期にある」と、今後に期待を込める。【竹地広憲】

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