2007年8月29日配信 Yahoo!ニュース【毎日新聞】
◇床下から100個
出雲市今市町の「高橋張子虎本舗」の母屋の床下から、明治時代に作られた出雲地方に伝わる土(どろ)人形の型が約100個、発見された。市文化財課は「土人形の生産過程がわかるものは現在残っていない。大変貴重なもの」として、今後市での修復・保存を予定している。【細川貴代】
土人形は江戸末期から明治末期まで作られた、粘土に色を塗った人形。ご粉を塗って光沢感を出して仕上げた天神さま「土天神」が有名だが、武者などさまざまな形がある。出雲地方では初節句を迎えた男児に贈るという独特の習慣が、明治時代まであった。
現在は出雲地方の玩具・張り子の虎を作る「高橋張子虎本舗」で7代目の高橋壮四郎さん(65)が時折、依頼を受けて製作するのみだった。
型は粘土の素焼きで作られており、大きなもので約40センチ。土天神や大黒、恵比寿、キツネなど種類はさまざまで、「明治」など作成年が刻まれてあった。同店の3代目の作成と見られる。
22日、市道拡幅工事に伴う移転のため工房兼自宅を取り壊そうとしたところ、床板の下から発見された。床板下約16畳分に渡って砂を敷き、その上に整然と並べられていたという。高橋さんは「父親から『床下に型が保管してある』と聞いてはいたが、ここまで多いとは驚きです」と話し、型を市に寄贈する予定。
出雲の文化に詳しい市立出雲文化伝承館の藤原隆・学芸員は「型の発見は出雲地方の民俗を知る資料として大変貴重な発見。今後の研究で、出雲地方の時代背景もわかるはず」とする。